四谷進学会による晃華学園中学高等学校-学校インタビューです。

四谷進学会では各学校へインタビューを行い、生徒様へ確かな情報提供や進路相談に対応いたします。

注目校インタビュー

晃華学園中学校高等学校

晃華学園中学高等学校-学校インタビュー

四谷進学会プロ家庭教師センター(以下、四谷):今回は、晃華学園中学校高等学校広報部の砂口優子先生と吉田孝則先生にお話しを伺います。どうぞよろしくお願いします。

砂口・吉田:よろしくお願いします。

四谷:まず晃華学園の教育についてお伺い出来ますでしょうか?

砂口:本校は「汚れなきマリア修道会」を設立母体として教育活動をしているミッションスクール(女子校)です。校名の「晃華」は、「晃(ひかり)輝く華(はな)」を意味し、カトリックの世界で大切にしている聖母マリアを象徴しています。全国に5校あるマリアニストスクールとして、「質の高い全人教育」を掲げ、家庭的な温かい雰囲気の中で子供たちを教育していくことを大事にしています。2013年に中学・高校の創立50年を迎えた際に、従来取り組んできた本校の教育活動を見直し、教科の授業、学校行事、学年のLHR(ロングホームルーム)を有機的に統合した、本校独自のカリキュラム「カトリック総合プログラム」を策定しました。ユネスコのグローバルな視点と、本校の目指す方向性が一致するところから、ユネスコスクールにも加盟いたしました。

吉田:全校生徒数が900人程度という、比較的小規模な本校では、一人ひとりの生徒に目を配り、細やかなケアが可能です。新たな取り組みを始めるに当たっても、フットワークが軽く、変化に柔軟に適応できるというメリットがあります。時代の変化に伴って、授業や行事なども微調整を加えたり、バージョンアップを図ったりしますが、それらの日々の活動が、一方で揺るぎない価値観と結びついている必要があります。そこで教育活動の礎となる「カトリック総合プログラム」を作ったわけです。このプログラムは「正義と平和」「奉仕と福祉」「生命」「自然と環境」「女性の使命」という5つの大きな柱を掲げており、これらは相互に深い関連性を持ち、グローバルな社会で生きていくために、すべて必要な要素といえるでしょう。たとえば、本校は女子校ですので、「女性の使命」について考える機会もたくさんあります。昨今は女性の活躍を支援する機運が高まっており、女性が社会進出する上で、女性らしい思いやりや心遣いを生かした、新しい価値観を作り出してほしいと考えております。それは「生命」を慈しむまなざしにも通じ、価値観の異なる人々との対話は「奉仕や福祉」といった活動につながり、やがて「正義と平和」を構築する勇気や信念へと成長していくでしょう。

エコキャップ回収

四谷:具体的な取り組みとしては、いかがでしょうか?

砂口:カトリック学校として、またユネスコスクールとして、広い視野に立って物事を複眼的にとらえる視点が必要だと考えています。「カトリック総合プログラム」の具体的な取り組みとしては、たとえば「自然と環境」や「生命」に関連する事例として、中学1年生はホタルの幼虫を育てる調布市のプログラムに参加しています。ESD(持続可能な社会作り)はユネスコスクールの理念であり、地域と「つながる」、活動の輪が「広がる」というのもユネスコのキーワードとなっています。生徒たちは中1の教室の前に置かれた水槽を見つめながら、ホタルの飼育をしています。また中学2年生では「正義と平和」に関するテーマとして「ホロコースト学習」をします。ユダヤ人が収容所へ移送される時に、自分の荷物を詰めたトランクに注目して、研究を続けていらっしゃる石岡史子さんをお招きして講演会を行います。生徒たちは実際にユダヤ人の少女ハンナが遺したトランク(石岡さんの著書『ハンナのかばん』参照)を目の前にして、様々な質問を投げかけながらお話をうかがいます。同じ時期に、国語の課題では『アンネの日記』を読んでいますので、戦争の恐ろしさや生命の尊さについて、より深く掘り下げて学ぶことができます。一つの事柄や現象を様々な視点から多角的に捉えて、学びを深めていくのが「カトリック総合学習プログラム」の特長です。生徒たちはこのような機会があるたびに、「振り返り」として自分の感想を書き記し、それらをポートフォリオとして保管しています。この蓄積は自分の「学びの軌跡」をプレゼンテーションするような場面、たとえば将来の大学入試で「主体性、多様性、協働性」を求められるシーンなどで、大いに力を発揮するわけです。一つひとつの体験が、生徒たちの中で、じっくりと時間をかけて醸成されて、自分の言葉として説得力を持って語ることができるようになります。

吉田:本校の教育活動の中で大切にしている、もう一つの考え方が「ライフガイダンス」です。進路指導やキャリア教育といった、大学入試や職業選択を主眼にした教育にとどまらず、「ライフ」=人生、生涯をどのような価値観に基づいて生きていくのか、女性として、社会人として、どのような生き方をするか、という長いスパンで自分の人生を思い描くところから指導を行っています。「ノーブレス・オブリージュ」は本校の教育理念でもありますが、生徒たちが自分に与えられた能力に目覚め、それを存分に伸ばすこと、そしてその力を、より多くの人々のために使える人に成長してほしい、というのが私どもの願いです。生徒たちはぶれない価値観、しなやかで柔軟性のある人間力を養いつつ、自分の可能性を追求します。具体的な職業は時代の変遷と共に変化していくでしょうが、どのような環境に身を置いても、自分らしく生きていける女性になってほしいと思います。その点では、本校の一番の財産は卒業生だと思っています。赤十字やJICA(国際協力機構)など国際的な仕事に従事して活躍している卒業生もいれば、美容師の世界大会でチャンピオンになった卒業生、家業を継いで花屋で働く卒業生など、様々なジャンルで活躍しています。生徒たちには特定の進路だけを示すのではなく、いろいろな生き方があることを伝えています。就いている職業は様々ですが、晃華での出会いが今の道に進む指針となったというエピソードを聞くのはうれしいことですね。卒業生には、実際に母校の後輩たちに向けて、進路や職業選択の講演会で話していただいたり、卒業生の活躍をまとめた作品集を在校生に配布し、そこから交流が生まれたり、というつながりができています。

砂口:他者に尽くすためには、まず自分が満たされていなければいけないと思います。私ども教員は、なるべく生徒一人ひとりに寄り添い、その成長を支援し、時に厳しく、時に愛情深く、生徒たちに接しています。中学・高校の6年間は生徒たちにとって、少女から女性へと成長していく大切な時期です。その間、ずっと順風満帆という生徒はなかなかおりません。反抗期を迎えていらいらしたり、友人関係や進路の問題に悩んだり、という生徒もたくさんいます。そんな時に、教員が常にそばにいて相談に乗れる環境を作っています。学校は「第2の家庭」として、保護者との連携を保ち、子供たちにとって居心地の良い場所、自分を受け入れてくれる環境だと思えることが大切です。アットホームな雰囲気が本校の大きな特長でもあります。このような校風なので、卒業生も頻繁に母校を訪ねてくれます。卒業生自身の近況や仕事ぶりについて生き生きと語る姿を見るのは、教員冥利に尽きます。卒業生がやがて母となり、二代にわたって本校で学ぶケースもたくさんあります。

四谷:社会に出てから必要なことを意識しているのですね。

吉田:そうです。その観点から、クラブ活動も重要な教育活動だと位置づけています。小規模な学校ですので、中学・高校生が一緒にクラブや委員会活動を行い、異なる年齢の生徒同士が触れ合う体験を通じて、社会性を身につけていきます。時には意見が合わず衝突したとしても、それを乗り越えるのも大事な勉強です。中高6年間は教員と保護者の協力を得られる守られた環境ですので、ぜひとも仲間同士で切磋琢磨してほしいと思います。社会に出れば、国内だけでなく、世界の人々と渡り合わなければなりませんので、コミュニケーション能力、価値観の異なる他者と交渉する力のベースも身につけてほしいと思います。勉強だけでなく、クラブ活動や学校行事も全力で取り組む、そのあたりが晃華らしさだと思います。本校の卒業生は大学に進学してから、海外でボランティアに参加したり、学園祭の実行委員になったりという生徒が多いと聞きます。中高時代に培った機動力や協働性が実を結んでいる一例といえるでしょう。

文化祭(高3喫茶)

四谷:御校で学んだことや達成感が、そういう部分に繋がっているんですね。

砂口:カトリック校は、おとなしくお行儀が良い生徒が多いというイメージを持たれることも多いですが、本校の生徒たちは素朴で、明るい雰囲気を持っています。武蔵野の面影を残す広い芝生に、木のぬくもりが感じられる居心地の良い校舎、無理に飾ることなく自分の個性を出しやすい環境だと思います。クラブ活動に精を出す子、図書情報センターに入り浸る子、先生たちとの語らいを楽しみにする子など、必ず自分の居場所が見つかる学校だと思います。

吉田:6年間一緒に過ごすと、生徒それぞれがお互いの良さを認め合うようになります。自分の特技や長所も分かるようになるので、自分が活躍できる場所も分かってきます。他者の良さを尊重し、自分の強みも分かるということは社会に出てから重要なことだと思います。本校では行事もたくさん取り入れていますので、バランス良く、多くの生徒がまとめ役になる機会があります。ある時はリーダーシップを発揮する、また別な時にはリーダーを支える立場になる、他者の苦労に思いを馳せ、自分の力を生かすことを意識してほしいと思い、行事は生徒の主体性を重んじ、生徒たちに任せるようにしています。

四谷:様々な経験から、生徒さんが成長されているのが分かります。

砂口:人間の豊かさは経験値だとも思いますので、色々な行事を体験させるようにしています。そうすることで視野が広くなります。キリスト教は、2000年の歴史を持ち、グローバルな価値観を内包している宗教ですので、その懐の広さや影響力について、在学中はあまり意識していなくても、社会に出てからミッションスクールの良さに気づくようです。そういう成長が教育の意義なのだと思います。

四谷:最後にこれから受験を考えているご家庭へメッセージをお願いいたします。

砂口:受験生は、塾に通ったり、勉強が大変だったりすると思います。しかし、小学生・中学生の多感な時期だからこそ学べることもあると思います。勉強は教科書や机の上で学ぶことだけではありません。たとえば、お母さんのお手伝いをしている時、友達とけんかしてしまい、どうやって仲直りしようと考える時、大切な経験をしています。学校の勉強ももちろん大事ですが、今しかできなこと、普段の生活も大切にして過ごしてほしいです。それがたくましい人間力、生きていく力につながります。

吉田:良い学校に受かるためとか、良い会社に入るためとかではなく、今できることに真剣に向き合うことで、自分の進むべき道が見えてきます。本校はそういう教育を目指しています。晃華生にもそうあってほしいと思い、日々、教育活動を行っています。是非一度、見学にいらしていただければと思います。

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晃華の英語教育

英語の四技能(聞く・話す・読む・書く)の必要性は最近になって盛んに論じられるようになってきましたが、本校では初代校長がハワイ出身のシスターでしたから、創立当初から、グローバルな視点を持ち、世界で通用する英語を身につけることを目指してきました。「英語の晃華」と定評のある英語教育を語る上で、ネイティブ教員の関わりが挙げられます。中1の英語導入期に英語の楽しさ、挨拶や会話など自然な英語を伝えるだけでなく、留学する生徒の対応や語学研修、大学入試の難関校の英作文など、手厚く指導しています。3人の専任教諭は、日本人教員と同様に、クラブ活動の顧問、清掃の監督、クラス担任を受け持つこともあります。日本人が英語を話す上での最初のハードルは、外国人を前にして緊張して萎縮してしまうことだと言われていますが、ネイティブ教員が学校生活の至る所で関わっていますので、本校の生徒はそのハードルをすでにクリアしています。学年に数名は帰国子女も含まれていますが、英語の学習はゼロベースでスタートします。アルファベットの綴りや発音を覚える段階から始めて、授業内容をしっかり定着させれば高いスキルが身につきます。外部テストは英検二級まで取得した生徒がTOEICに挑戦し、受検者の平均点は529点と、大学生の平均値を上回ります。英語を楽しみながら、コツコツ努力を重ねれば、必ず英語が得意になります。

校内スピーチコンテストも生徒に人気の教科行事で、外部審査員をお迎えして本格的に実施しています。くじ引きで参加者を決めるため、英語が得意な生徒だけが出場するのではなく、苦手な生徒でも挑戦できます。スピーチ原稿を作成するところから、プレゼン、発音の練習に至るまで、英語科の教員がフォローしますので、参加することで英語力が飛躍的に向上します。スピーチする生徒のみならず、聞く側の生徒にも勉強になりますし、審査員の先生方からも、毎回ご好評をいただいています。

図書館には、43,000冊の蔵書のうち、3,800冊程が洋書です。英語学習の初期には、母語を学ぶのをなぞるように、分かりやすい絵本から読んでいきます。知らない単語でも、イラストや前後のつながりから言葉の意味を理解できますので、生の英語に触れる貴重な機会です。授業の中でも英語の絵本や洋書を読む時間を設けており、英語でブックトークを行います。その結果、大学入試のための学習だけにとどまらず、社会に出ても十分に通用する本物の英語力が身につきます。

卒業論文

中学三年間の集大成として、中学卒業時に提出する「卒業論文」は、生徒達たちの自発的な興味関心を育て、継続的、体系的に物事を学ぶ上で、大きな役割を果たしています。各々が自由なテーマを選び、資料を集め、中間報告の発表会を行い、最終的に論文としてまとめ上げていきます。教員が分担して評価を行い、例年ユニークでレベルの高い作品が提出されます。特に優秀な論文に対しては、賞が与えられ、発表の機会もあります。今後は、中学3年時に作成した卒論を、高校生になってからもさらに発展させ、プレゼンテーションする場を設ける計画もあります。インタビューの方法やレポートの書き方、記述力や文章構成を学ぶのに格好の機会です。

特色のあるクラブ活動

加入率は、中学生は約96%、高校生でも90%を切ることはありません。忙しい学校生活の中でも、自分の興味のあることを存分に伸ばしたり、メンバーと協力して達成感を味わったり、効率よく時間の使い方を学ぶ機会ととらえています。

特色のある部活動としては、居合道同好会があります。袴に刀というりりしい姿に憧れて入部する生徒も多数おり、毎年10名程度の新入部員を迎えます。武道ならではの礼儀作法や挨拶の仕方も身につきますし、段位を取ることも可能です。女子教育との関連では、衣食住にかかわる家庭科同好会もあります。生徒のニーズで生まれた同好会であり、本格的な懐石料理を学んだり、オープンスクールや文化祭では、ロザリオやピンクッションを児童向けに制作をサポートしたりして、好評をいただいております。

平成27年度現役進学実績

〇国公立大学(23名)
九州歯科大学1名        電気通信大学1名
首都大学東京1名        東京外国語大学1名
都留文科大学1名        東京学芸大学4名
横浜市立大学2名        東京農工大学2名
大阪大学1名          一橋大学3名
岡山大学1名          北海道大学1名
お茶の水女子大学1名      横浜国立大学1名
筑波大学1名          琉球大学1名

〇私立大学(90名)
青山学院大学3名        東京女子大学7名
麻布大学2名          東京農業大学1名
学習院大学1名         東京薬科大学2名
北里大学4名          東京理科大学5名
国立音楽大学1名        東邦大学1名
慶應義塾大学8名        日本女子大学1名
国際基督教大学2名       法政大学5名
芝浦工業大学1名        武蔵野大学1名
上智大学9名          武蔵野美術大学1名
順天堂大学1名         明治大学1名
女子美術大学1名        明治薬科大学1名
聖心女子大学2名        立教大学9名
中央大学6名          早稲田大学13名
東京慈恵医科大学1名

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