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塾フォロー徹底解剖
サピックス:塾フォロー
●歴史
サピックスは1989年、中学受験・高校受験を手がけていたTAP進学教室から独立して誕生しました。独立の際、小学部は「株式会社ジーニアスエデュケーション」、中学部は「株式会社サピエンス研究所」としてそれぞれ独立しました。現在では、高校部は「Y-SAPIX高校生コース」として独立しています。
SAPIXでは拡大戦略をとらず、25校舎の展開であり、質の高い教師を各校舎に配置するため、教師の育成に力を入れていることもあり、創立以来、難関校へ多くの合格者を輩出しています。
2009年9月、日本入試センターがSAPIX中学部・高校部を運営する「株式会社サピエンス研究所」の全株式を取得し、子会社化しました。
●完全復習型の授業
サピックスは、御三家や難関校の合格実績で他塾を圧倒している塾です。カリキュラムは、半年で一通りのカリキュラムを一周するので、他塾に比べて進度が早いのも特徴の一つです。
指導方針としては、「思考力」と「記述力」に重きを置いています。そのため、年間を通して使用する教材はなく、授業当日にプリントを配布し授業を行いますので、予習ができない完全復習型になっています。塾の授業に予習をすることなく臨み、その場でその日の課題に取り組むので、家庭学習は塾の復習が中心になります。完全復習型の狙いとしては、入試本番のように、初見の問題に日々の授業から慣れていくようにする点と、今日は何を勉強するのかという知的好奇心をかき立てながら、意欲的に授業に臨めるようにするという点にあります。
●授業の進め方
授業は、講師が板書に問題やテーマなどを板書をし、それを生徒がテキストやノートに書き写すことから始まります。生徒自身の考えで問題に取り組み、解き方や考え方について、講師の解説が入ります。解法は一つとは限らないので、講師の解法だけでなく、生徒が解いた解法も生徒自身に発表させます。生徒と講師が積極的にコミュニケーションを取り、一方通行ではない討論式授業を大切にしています。
授業終了時には、その日に学んだ内容を家庭で復習できるように「復習教材」が配布され、易しい問題から発展問題まで、問題の質を考慮した内容になっています。
算数と国語はA・Bで授業を分けていて、算数Aでは前回の授業の復習を行い、算数Bでは新しい単元の授業を行います。家庭学習での復習をしてきた上で算数Aの授業を受けることで定着を深めることができるシステムになっています。
国語はAで語彙・知識問題を行い、Bで長文読解と分けることで内容を整理し理解を深める授業を行っています。また、毎回授業後には1時間の質問教室が設けられていて、当日の授業で分からなかったところを個別で質問ができるようになっています。
サピックスでは、中学受験において算数が最も重要な科目と捉えているため、算数のみ毎月1冊ドリルを配布しています。1冊が1ヶ月で終わるように日割りで組まれていますので、毎日行う習慣をつけることが重要です。
6年の夏休みには、前半の夏期講習でこれまでの学習内容を復習し、後半には「夏期集中志望校錬成特訓」を行い、実際の受験に向けた対策を行います。「夏期集中志望校錬成特訓」は夏休み前にアンケートを取りクラス編成を決めるため、生徒の志望に合わせたクラス編成で対策を行っています。
サピックスは進度も早いため、何度も同じ単元を繰り返し行うことができますので、授業進度についていくことができれば、理解も深まり難関校合格への対策にも繋がります。まずは、毎回の授業や家庭学習で分からないところを無くし、毎月のテストで得点を伸ばしていくことが重要なポイントとなります。
●クラスとテスト
サピックスは、1クラス15~20人程度の少人数制で、小規模教室でも1学年5~6クラスはあります。大規模な校舎になると、20クラス以上のレベルに分かれることもあります。
1~2カ月に1度の定期的な「マンスリーテスト」と、年に3回行われる「組分けテスト」があります。
「マンスリーテスト」では、授業で行った範囲からの出題となり、クラス変動幅も各教室によって2~4クラスと決まっています。しかし、年に3回行われる「組分けテスト」ではクラス変動幅に制限がなく、出題も全範囲からになるため、点数が低いと一度で上のクラスから一番下のクラスまで下がる可能性もある非常に重要なテストとなります。
クラス分けとして、最上位が「α(アルファ)クラス」です。教室の規模によっては、上位順に「α−1」「α−2」と更にクラス分けがされます。通常クラスは、勉強が苦手な生徒が「A」から始まり、教室の規模によって「B」「C」・・・という形で、能力別で上がっていきます。
<その他 授業の一環で行われるテスト>
・確認テスト(1-3年生)
組み分けテストと同様に、定期的に実施される授業の理解度を測るテスト
・復習テスト(1-6年生)
授業の理解度の確認のためのテスト
・比較合判(6年生 11月下旬)
1年前の6年生と同じ問題を解き、志望校の合格の可能性を測ります。
<その他公開模試>
●4-5年生
・実力診断サピックスオープン(3年生10月・4年生10月・5年生5月)
総合的な学力を試すテストであり、生徒の可能性を測り、学習に役立てることができます。
学力を多面的に診断することを目的にしているため、志望校判定は行われない模試です。
・志望校診断サピックスオープン(5年生9月・11月)
5年生の後期に実施される模試であり、生徒一人一人の問題適性を診断することができるテストです。中学入試の問題は大きく、知識の定着度と問題処理能力を測るAタイプと、思考力と記述力を測るBタイプで構成されています。問題への適性と実力を知ることで、志望校を選定し、本番に向けて方向性を決める狙いのある模試です。
●6年生
・志望校判定サピックスオープン(6年生4月と6月の計2回)
6年生の前期に実施される公開模試であり、知識の定着度と問題処理能力を測るAタイプと、思考力と記述力を測るBタイプの、2つを受験することで、志望校に対してより精度の高い判定結果を得ることに繋がります。
・学校別サピックスオープン(6年生9月-11月)
志望校への可能性を測るため、学校別に作成された問題で実施される公開模試です。問題は対象となる学校の出題傾向を考慮して作成されています。
・合格力判定サピックスオープン(6年生9月-12月の計4回)
基礎学力の到達度を測るためのテストで、受験者数も多いため、偏差値が低く出ることが特徴です。9月~12月の間に4回実施されます。基礎学力の到達度を「知識力」「解法力」「問題処理能力」の項目で測り、志望校の合格可能性がどれくらいか分かります。出題される問題自体は難問ではなく、標準的な問題が多いため、中学受験に必須レベルの基礎力がどれくらいか測ることができます。尚、会場は私立中学校などで行われるため、本番に近い環境の中で臨めます。
●テキスト
サピックスは、「デイリーサピックス」と「デイリーサポート」という毎週1冊ずつの単元別のオリジナルの小冊子が配布されます。クラスのレベルに関わらず、全生徒が一冊の小冊子のテキストで授業が進みます。
教材は全クラス共通ですので、αクラスの生徒を対象にした内容のテキストを、Aクラスの生徒も学ばなければなりません。テキストは上位のクラスにいる生徒向けの内容で、解説が極端に少なく、難易度も高くなっています。難易度が高く、進度も速いため、ついていけない状態に陥ってしまう生徒が出てきてしまいやすいです。
理解度の早い上位クラスは、一冊分の内容を全て学習しますが、そうでないクラスは全てを学習が終わらず、やり残しが発生してしまうかもしれません。ですが、テストは統一された内容での出題のため、下位クラスの授業では、まだ習っていない範囲も、カリキュラムの範囲内の内容であれば出題されます。習っていない内容がテストに出題されることがあるため、高得点を目指すのは少し難しいかもしれません。
クラスによって家庭学習で指示される問題の難易度に差があるため、下のクラスにいる場合には指示された問題を復習するのは勿論ですが、上のクラスに上がるために自己学習で難易度の高い問題に取り組むことも必要になってきます。
テキストの解説の少なさと、テキストの内容自体の難易度が高さから、習っていない内容を家庭学習で補い挽回することが難しい状況に陥りやすいです。
しかしながら、週ごとの一冊の小冊子がテキストのため、いつでも改訂が行えるので、中学受験の多様化にもいち早く対応しやすいというメリットもあります。
●宿題
サピックスは、毎週配布される「デイリーサピックス」と「デイリーサポート」の単元別テキストを補完する補助教材として、プリント教材も配られます。このプリント教材は主に宿題として配布されますが、量がとても多いです。特に6年生で配布されるテキストやプリントは、莫大な量になってしまいます。
授業は毎週先へ進んでしまうので、その内容をその週の内に理解することが重要と言えます。宿題の量も多いため、復習が不十分となり、習得できていない単元が増えるといった悪循環にないように対策をしていくことが大切です。
中学受験は志望校に合格できることが目標であり重要なことです。宿題を完璧に仕上げることと、志望校へ合格できるかどうかはイコールではありません。なかなか宿題を完璧にこなせないことで、学習意欲を失ってしまっては意味がありません。無理に課題全てを完璧にやりとげようとせず、テストの不正解であった問題の類題に絞るといった方法で、取捨選択をすることも、一つの選択肢になるでしょう。
●志望校対策
サピックスの6年生は、「サンデーサピックス(SS)」という5ヶ月間の集中特訓があり、主に御三家を中心とした上位校を目指す生徒向けの講座です。内容・スピードともに難易度が高い講座なので、事前に学習計画を立てる必要があるでしょう。
講座は「志望校別講座」「単科講座」「合格力判定サピックスオープン」の3つが行われます。9月~1月までの日曜日に実施され、全18回の授業のうち、4回が「合格力判定サピックスオープン」となります。
「志望校別講座」は、難関校を目指す受験生向けの、志望校別の対策講座です。設置コースは以下の学校で、クラスの中の成績順に席が決まるため、志望校に合格できる可能性がどれくらいなのか分かる指標にもなります。教材も、各学校の出題傾向に即して教えてもらえるため、志望校に向けて効果的な学習ができると言えます。
【志望校別講座対象学校】
<男子校>
開成・麻布・武蔵・駒場東邦・栄光学園・慶應普通部早稲田・早大学院・桐朋・聖光学院・
海城・灘・甲陽学院など
<女子校>
桜蔭・女子学院・雙葉・フェリス・学習院女子・豊島岡など
<共学校>
慶應中等部・慶應湘南藤沢・早稲田実業・渋谷幕張
「単科講座」は、苦手科目や弱点分野を克服するための教科別特訓講座です。この講座も、9月~1月までの日曜日に実施されます。「算数思考力講座」「算数解法力講座」「国語記述表現力講座」「国語読解力講座」「理科知識論理力講座」「社会知識論理力講座」の6つの講座が設置されており、生徒の苦手に合わせて受講の選択ができます。
尚、年に3~4回保護者会を行っており、年間のカリキュラムに沿った授業報告や時期に合わせた勉強のやり方などを保護者に伝えています。また6年生は6月・11月に個別面談も行っていますので、志望校を選択する上での相談ができる体制も整えています。
●プロ家庭教師の相乗効果
―宿題のサポートー
サピックスは授業進度が早く、宿題である復習教材の量は多めです。プロ家庭教師がテストの不正解であった問題の類題に絞り、重点的に取り組むべき内容の取捨選択をすることで、負担なく効率的に宿題を進められます。宿題である塾の復習のサポートを行うことで、次回の授業の理解がよりスムーズになるでしょう。
―テスト対策―
例えば、サピックスの年に3回行われる「組分けテスト」では、クラス変動幅に制限がなく、全範囲から出題されます。プロ家庭教師が日々の生徒様の学習定着度を把握した上で、苦手に合わせたテスト対策を行います。やみくもに膨大な範囲を取り組もうとせず、生徒様の現状に合わせて効率的に対策を進めることが可能です。
―クラスアップ対策―
クラスによって、家庭学習で指示される復習教材の難易度には差があるため、上のクラスに上がるためには、自己学習で難易度の高い問題に取り組まなくてはなりません。
プロ家庭教師が、塾の授業で習っていない内容を補い、難易度が高い問題も慣れていくことで、よりクラスアップに近づくことができます。
―志望校対策―
また、サピックスは難易度の高い志望校別のコースが多いため、生徒様によっては目指したい学校のコースが無い場合があるかもしれません。プロ家庭教師が各志望校の傾向に合わせた指導を行うことで、塾で補いきれない部分のフォローをすることができます。
四谷進学会では、長年の経験によって培われた情報を基に、
SAPIXのカリキュラムに沿ったマンツーマン指導を併用することで、
模試対策や志望校選択など、きめ細かくサポート致しますので、