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定員厳格化(大学受験)

2020年04月30日

私立大の定員厳格化は、大学入試において大きく影響しています。今年度から開始予定の「大学入学共通テスト」を回避したい受験生は、安全圏の学校を確実に抑えようとする「安全志向」になりつつあります。

■定員厳格化とは
定員厳格化とは、定員に対して一定基準以上の学生を入学させると、大学が国から得られる私学助成金がゼロとなる仕組みです。大都市圏の大学に学生が集中する状況を回避するため、文部科学省が2016年度から開始しています。

■私立大学の安全志向
この定員厳格化の仕組みに対応する為、規模の大きい大学が合格者数を絞ったため、受験の難易度が上昇しました。確実に合格したい受験生は、難易度がそれほど高くない安全圏の大学を受験し、確実に枠を得ようとします。早稲田大学や慶応大学、関西学院大学や同志社大学などの難関大学は、2015年~2018年は倍率が上昇する状況をキープしていましたが、2019年から落ち着きをみせています。
大学への進学者数が多い高校では、進路指導が難航しており、模試で首都圏の私立大学がA判定の生徒が、受験では不合格になってしまうケースが増えつつあります。この傾向は、模試の結果による偏差値や、学校生活の実績をもとに、受験戦略を立てることが容易ではないことを意味します。
一般入試の厳しさによって、学力の高い生徒も安全志向から、推薦入試やAO入試を利用するようになってきています。

■国公立大学の安全志向
今年度から始まる「大学入学共通テスト」が、英語民間試験の活用や記述式問題の導入の見送りなどで迷走しています。この流れもあり、国公立大の受験生も、浪人を回避する安全志向をとるようになってきています。昨年度の入試では、東京大学や京都大学などの難関国立大の多くで、倍率が下がる傾向になりました。今年度も難関大学を敬遠する動きは続くとみられています。
一方、公立大は志願者も合格者も増え、倍率が上がっています。理由としては、国立大学と併願可能な大学があり、私立大学の難化を警戒した志願者が少数科目で受験できる公立大にターゲットを向けたことが考えられます。
都内の中堅私立大に落ちても、地方の難易度の高い国公立大学に合格するというケースもみられています。

いかがでしたでしょうか。受験する大学を選ぶポイントとして、安全圏の大学への受験も大切ですが、必要以上に怖がらず、本当に通いたい大学に挑戦することも、受験以降の長期的視野で重要と言えるでしょう。安全志向に囚われすぎず、大学で何を学びたいか、将来何をしたいかなどを踏まえた、長期的視野で悔いのない受験戦略を組むようにし、志望校を定めるようにしましょう。

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