模擬国連|四谷進学会「いま話題の教育ワード」です

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模擬国連

2020年02月29日

「模擬国連」という言葉を御存知でしょうか。今回は模擬国連の特徴や身につく力などをご紹介致します。

【模擬国連とは】
模擬国連では高校生や大学生などの学生が、各国の大使になりきって、実際の国連のように会議に参加します。大使になった学生は、各国の主張をまとめ、発表するための決議案を協力して作成し、採択することを目指します。決議案は会議の最後に、大使全員による投票によって、採択または不採択かが決まります。
また模擬国連の事前準備としては、担当になった国についてや、議題となる社会問題について調べ、政策を立案します。各国の大使はその国の政策をもとに、国益を考慮しながらも、国際社会の問題解決に貢献するため、演説や交渉を行います。

【模擬国連で身につく力】
1 問題解決への思考力
国際社会では様々な問題が起こっています。国際社会の問題は、ニュースや新聞などで見聞きすることはあっても、自分自身の身近な問題としては、なかなか感じにくいかもしれません。
模擬国連では、大使として一国の代表となり、その国の問題に向き合い、調べることから交渉までの一連の流れを担います。例えば、児童労働が実際に行われている国の立場で人件費や労働力の確保についてや、工業開発を進めたい国の立場で地球温暖化を初めとした環境問題。頻発するテロをどうすれば沈静化に近づけるかなどが議題で取り上げられます。いずれの問題も共通する点として、自分だけの意見では会議は成り立たず、国益などの国としての立場で広い視野で物事を考える必要があります。違う視点や価値観から、多角的に国際問題を捉えることで、よりその問題への理解を深めることが出来ます。

2 英語での発信力
模擬国連におけるスピーチは、英語で行う場合が多いです。加えて、時間が限られている中で意見を相手に伝えなければならず、そのスピーチした内容が国の利益に直結してしまいます。よって、話す内容や、限られた時間での伝え方も、事前に作戦を練った上で、効果的なスピーチをすることが求められます。

3 戦略的交渉力とチームの協調性
模擬国連では意見や状況の異なる国とも議論しながら、自国の国益を伸ばすため、上手く交渉しなければなりません。模擬国連は勝敗がなく、いかに国際社会での合意が取れるかが重要となります。そのため、一国の主張を押し通したり、相手を言い負かしたりすることは意味を成しません。各国の問題に真摯に向き合い、お互いに問題解決に向けて議論をしていきます。
また、同じ意見や似た状況の国とは、チームを組んで戦略を立て交渉に臨むため、チーム内での協調性が問われます。単に合意が取る事が目標ではなく、より自国の国益が達成されるように交渉する必要があるので、戦略的な思考が重要になります。

いかがでしたでしょうか。「模擬国連」では、課題解決への努力や調べる力、話し合いの大切さが学べます。日常生活では、自分が主軸となって物事を見る事が多いかもしれませんが、模擬国連ではその国の国益や、国民のことを考え、多角的かつ戦略的思考で問題を解決することが重要になります。
また、「模擬国連」という形だけでなく、日頃から身近な社会問題について関心をもち、課題を解決するには何が必要か、どのように伝えれば相手の心に響きやすいかなど、考えて発信する習慣をつけると良いでしょう。その問題の本質を捉え、解決策を論理的に考えることで、分析力や論理的思考といった、社会に出てからも活かされる力が身につくでしょう。

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