大学入学共通テストの問題点|四谷進学会の受験お役立ちコラムです

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受験お役立ちコラム

大学入学共通テストの問題点

2020年01月20日

2021年1月から「大学入学共通テスト」が導入されますが、出題内容について延期や見直しが発表されるなど混迷している状況です。今回は延期や見直しに至った背景や、問題点について取り上げます。

【活用を見送る内容】
①英語で民間の資格・検定試験の活用
2021年1月の「大学入学共通テスト」の英語で確定している内容は、「読む力」「聞く力」の2技能の力を問われるという事と、配点を変えずにリーディングとリスニングを100点ずつの配点で、計200点満点評価されるという点です。英語で民間の資格・検定試験の活用が決定した背景としては、「読む力」「聞く力」だけでなく、大学入試センター試験では取り扱われない「話す力」「書く力」も評価するという目的がありました。2018年の春には、TOEICを除く英検やGTECなどの8種類の試験が認定されていました。ですが、受験料が2万円を超える試験も中にはあり、経済的に受ける事が難しいケース、離島などの地域によっては実施会場の少なさから受けられないケースなど、懸念点は挙げられていました。
文部科学省は実施に向けて進めていましたが、新学習指導要領が適用される2024年度から導入し、今後1年を目途に検討するという事が2019年11月に発表されました。
各大学では2021年に民間の資格・検定試験を活用するのか、活用する場合はどのように取り入れるのかなど、方針をウェブサイトなどで示す動きが出てきています。

②国語・数学の記述式回答
大学入学共通テストのもう一つの柱であった、国語と数学の記述式回答ですが、短期間で採点する状況において問題点が多いため、見送られる事になりました。
記述式導入による内容は、国語は200点満点のマーク式問題に加え、3問を最長で80~120字で記述式で回答するというものでした。試験時間も80分から100分に延長予定でした。
数学では、数式を書くなどの問題が3問出題され、マーク式と合わせて100点満点と想定されていました。試験時間は60分から70分へ延長される予定でした。
導入を目指した背景として、マーク式では「考える力」や「表現をする力」がはかれないというものでした。ですが、国語は事前の試行試験で自己採点と実際の点数が一致しない割合が高くなってしまったり、記述回答の採点のため、採点者によって得点にブレが生じてしまうなど、問題点が上がりました。

政府は導入を見送った理由として、採点ミスを完全になくすには限界があるためとし、2021年1月の「大学入学共通テスト」では国語と数学の問題構成や試験時間、配点などについて、早急に専門家による検討を行い、方針を示すという事で説明しています。

混迷している「大学共通テスト」ですが、方針の転換で混乱や不安を感じる受験生も多いと思います。ですが、英語の4技能や、自分の考えを論理的な文章で記述する技術も、将来社会で活躍していくために、必要な能力と言えるでしょう。大学入試の為だけの学習と捉えず、長期的視野で備えをしていくことが大切です。

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