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大学入学共通テスト

2019年11月10日

2020年1月までは「大学入試センター試験」が行われ、2021年1月から「大学入学共通テスト」が導入されます。今回は、改革が目指す方向やその背景、改革による入試の変更点についてご紹介します。

 

■改革の背景と求められる能力

これまでの教育改革の多くは、学校教育でカリキュラムを編成するときの基本となる学習指導要領」の改定が中心でした。しかし、2020年度からの大学入試改革では、大学と高校までの教育を一体としてとらえ、両者をつなぐ大学入試のあり方を改革するという考えが根底にあります。

改革の背景には、他者と協力して世の中の課題を解決できる能力を育てる狙いがあります。求められる能力は大きく3要素あり、一つ目は「基礎的な知識・技能」です。二つ目は「自分で課題を立てて答えを見出す思考力・判断力・表現力」です。三つめは「多様な人々と協力して学ぶ主体性のある態度」です。

 

■主要教科の変更点

現代の入試センター試験は、知識の暗記に偏りがちであったことから、導入される共通テストでは、国語と数学は記述式の問題も出題されます。国語(現代文)の場合、マークシート方式の問題とは別に、最も長くて80~120字の記述問題が出題されます。そのため、センター試験では80分の制限時間のところ、共通テストでは100分に変更になりました。

数学(数Ⅰ、数Ⅰ・a)では、記述式とマークシートが混在します。記述式の出題は、図表やグラフなどを用いて、考えた内容を数式で解かなければなりません。国語と同様に試験時間は長くなり、60分から70分に変更になりました。

英語では「読む力」「聞く力」「話す力」「書く力」の4技能が求められます。配点はセンター試験の場合、リスニングが50点であったのに対し、共通テストは100点に変更され、リーディングは200点から100点になります。また、「話す力」「書く力」を評価するため、英検やGTECなどの民間の資格・検定試験も評価対象になります。各大学は共通テストと民間の資格・検定試験のどちらか、または両方を選んで評価を行うことになります。

 

■共通テストの出題モデルと出題の意図

大学入試センターが公開したモデルの問題や、試行調査の内容から、国語も数学も、日常生活を題材とした出題があるようです。

国語の場合、架空の都市が策定した「景観保護ガイドライン」や「駐車場の使用契約書」「生徒会の部活動規制などが題材に取り上げられました。

数学の場合は、「緑地公園に建てる銅像の見やすさ」について、三角比を用いた上で問題を解決する方法を考えさせる出題がありました。

 

いかがでしたでしょうか。実際の世の中との関わりがある内容で、社会に出てからの問題解決能力を図る意図が共通テストにはあります。日頃から、社会の動きに関心をもちながら、主体性をもって、自分の意見や考えを述べる練習をしていくと良いでしょう。

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