京華中学校
校風
子どもの可能性を信じる学校だから、生徒も先生も「チーム」になれる
四谷進学会 溝田:
先生が普段、生徒さんと接する中で、「京華らしさ」を感じる瞬間はどんなときですか?
中村校長先生:
つい最近の学校説明会で、とても印象に残った出来事がありました。説明会では「京華スクールナビゲーター」という、生徒が学校案内や運営を担当するボランティア組織が活躍しています。中学1年生から高校2年生までが所属していて、その日は私が中学3年生の生徒にインタビューする予定だったんです。実は、その生徒とは面識がなく、事前の打ち合わせもありませんでした。すると説明会の前に、その生徒が校長室まで来て、「先生、今日はよろしくお願いします」と、自分から挨拶に来てくれたんです。誰かに言われたわけではないと思います。「初めて話すから、先にご挨拶しておこう。」そんな相手への気遣いが自然にできる姿を見て、「京華らしいな」と感じました。こういう小さな心配りが、社会に出てから本当に大切になると思っています。
四谷進学会 溝田:
ホームページやYouTubeを拝見していると、生徒さんがすごく生き生きしていますよね。先生方は、普段どんなことを意識して子どもたちと接しているのでしょうか?
中村校長先生:
私は、とにかく褒めることを意識しています。「頑張ってるね。」「すごいね。」「さすがだね。」本当に小さなことでも、できるだけ声をかけます。男の子って、意外と素直なんですよ(笑)。照れくさそうに笑う子もいますし、ものすごく嬉しそうな顔をする子もいます。でも、そうやって認められる経験が、「もっと頑張ろう」という気持ちにつながるんですよね。説明会を手伝ってくれた生徒にジュースをご馳走すると、それだけで大喜びしてくれたり(笑)。そんな何気ないやり取りも、私は大切な教育だと思っています。
四谷進学会 溝田:
先生方も、理想の教育を目指しながら日々悩まれることがあると思います。職員室ではどんな会話が交わされているのでしょうか?
中村校長先生:
職員室では、やっぱり生徒の話が中心ですね。「授業になかなか集中できない。」「最近少し元気がない。」そんな話ももちろんあります。でも、それだけでは終わりません。「この子、この前こんな場面ですごく頑張っていたよ。」「実はこんな才能があるんだよ。」そうやって、生徒の良い面も必ず共有するようにしています。一人の先生だけが見ている姿ではなく、みんなでその子を知る。そうすると、「そんな一面があったんだ」と、新しい見方が生まれるんです。
以前、授業中は寝てばかりで、正直どう接したらいいか悩んだ生徒がいました。ところが、お母様から「劇団に入っているので、ぜひ発表会を見に来てください」と声をかけていただいて。行ってみると、その子が主演を務めていたんです。普段の学校で見せる姿とはまるで別人でした。舞台の上で堂々と演じる姿を見て、「この子はここで輝くんだ」と気づかされました。その後、その生徒は劇団四季へ進みました。勉強だけでは見えない才能が、子どもには必ずある。だからこそ、一人の先生だけで判断せず、みんなで子どもを見ていくことが大切だと思っています。
四谷進学会 溝田:
先生方同士の関係性も、とても良い印象を受けます。
中村校長先生:
それは京華の伝統かもしれませんね。私たちには、「教員が楽しくなければ、生徒は楽しくない」という合言葉があります。だから教員同士のコミュニケーションは、とても大切にしています。授業を公開し合って、お互いの実践を学び合ったり、ICTが得意な先生はそのノウハウを共有したり。一人で抱え込まず、「チーム」で学校をつくっていく文化があります。忘年会や学年ごとの食事会なども多くて(笑)、自然と先生同士が話せる関係なんです。先生同士が信頼し合っているからこそ、生徒の情報も共有できるし、子どもたちも安心して学校生活を送れるのだと思います。
四谷進学会 溝田:
最後に、生徒さんたちの雰囲気を一言で表すと、どんな学校でしょうか?
中村校長先生:
一言で言えば、「穏やか」ですね。もちろん男子校なので、休み時間は元気いっぱいです(笑)。でも授業が始まると、きちんと切り替えられる。説明会でも生徒自身が「京華生は切り替えが早いです」と話していました。男子校は、周りの目を気にせず好きなことに打ち込める一方で、ときには本音でぶつかることもあります。でも、それも悪いことではありません。私自身も京華の卒業生ですが、ぶつかったからこそ分かり合えた友人とは、今でも付き合いがあります。
「雨降って地固まる」という言葉がありますが、本音で向き合った仲間との絆は、本当に強いものになります。京華は、生徒同士だけではなく、生徒と先生、先生同士、そして保護者とも距離が近い学校です。子ども一人ひとりを、学校全体で育てていく。そんな温かさが、京華らしさなのではないかと思っています。


