京華女子中学校
校風
先生が決める学校」ではなく、「生徒がつくる学校」

四谷進学会 溝田:
ホームページでは、生徒主体という言葉が何度も出てきます。実際には、どんな校風なのでしょうか?
山中校長先生:
本校は中学生だけでいうと、3学年合わせても約200人ほどの小規模校です。だからこそ、学年ごとに活動するよりも、縦割りで活動する機会を多く設けています。上級生が下級生に教えたり、下級生が「こんな先輩になりたい」と憧れたり。そうした関わりが自然に生まれるんです。部活動もほとんどが中学生と高校生の合同活動です。中学1年生から高校3年生までが一緒に過ごしますから、年齢差があるぶん、お互いを思いやったり、相手に合わせたりする力が自然と育っていきます。
四谷進学会 溝田:
具体的にはどんな場面で生徒の自主性を大切にされているのですか。
山中校長先生:
私たちは「先生が言ったからやる」という学校にはしたくないと思っています。もちろん必要な場面では指導しますが、「どうしたらもっと良くなるだろう?」ということは、生徒自身が考える機会を大切にしています。象徴的なのが学校説明会です。実は、本校の学校説明会は、生徒が企画・運営しています。以前は教員が主体で、生徒は「手伝う側」でした。でも今は違います。
「どうしたら来校された方に楽しんでもらえるかな」「もっと学校の良さが伝わるには?」
そんなことを生徒同士で話し合い、自分たちで改善を重ねています。教員は、そのサポート役です。
四谷進学会 溝田:
企画や運営まで生徒さんが進めるのですか。
山中校長先生:
そうなんです。それだけではく、説明会が終わると、生徒たちだけで自然と振り返りを始めます。「もっと自分から話しかけたほうがよかったね。」「待っている保護者の方がいたから、次は自分から声をかけよう。」そんな反省や改善案が、生徒からどんどん出てくるんです。私たちが「こうしなさい」と言っているわけではありません。失敗してもいい。失敗しないより、挑戦したほうが成長できる。そんな空気が学校全体にあるので、生徒も安心してチャレンジできるんだと思います。
オープンキャンパスでは、生徒だけで企画するコーナーもあります。「ここは全部任せるよ。」そう言われるからこそ、生徒たちは本気になります。おもてなしについて学びたいという声が上がれば、外部講師を招いて勉強会を開くこともあります。「もっと良い説明会にしたい。」そんな気持ちから、自分たちで学び始めるんです。
四谷進学会 溝田:
生徒の意見を大切にする姿勢は、他の学校生活でも表れているのでしょうか。
山中校長先生:
もちろんです。例えば校則も、「昔からこうだから」で終わらせることはありません。実際、保護者の方から「冬のタイツ着用を認めてもらえませんか」というご意見をいただいたことがありました。以前、生徒に聞いたときはあまり反応がなかったのですが、改めて全校生徒に意見を聞いてみると、「ぜひ認めてほしい」という声が多く集まりました。学校としても問題はないと判断し、校則を変更しました。もちろん何でも変えるわけではありません。安全面など譲れないことはあります。でも、「今の子どもたちに本当に必要なのか」という視点で、一緒に考える姿勢は大切にしています。
新校舎が完成したときも、「使いづらいところはない?」と生徒会に率直な意見を聞きました。実際に生活しているのは生徒ですから。学校も一緒につくっていくものだと思っています。
四谷進学会 溝田:
校長先生のお話を伺っていると、生徒さんたちが安心して先生に話せる雰囲気を感じます。
山中校長先生:
休み時間や放課後になると、職員室には生徒がたくさん来ます。質問をしに来る子もいますが、実は雑談していることも多いですよ(笑)。進路相談をしている子もいれば、「先生、聞いてくださいよ」と何気ない話をしに来る子もいる。そんな光景が日常です。教員と生徒の距離が近いからこそ、小さな変化にも気づきやすい。もし気になる様子があれば、こちらから「どうした?」と声をかけます。中学生は各学年2クラスしかなく、担任・副担任の4人で見ていますので、一人ひとりを丁寧に見られる環境があります。
いじめに関しても匿名アンケートを定期的に実施し、少しでも気になることがあればすぐに話を聞くようにしています。
四谷進学会 溝田:
そうやって、先生方が大切にされている「共感力」は、自然と生徒さんにも育っているのでしょうか。
山中校長先生:
そう感じる場面はたくさんあります。例えば、人前で話すのが苦手な子が発表するとき。周りの生徒が「大丈夫、待ってるよ」「ゆっくりでいいよ」と自然に声をかけるんです。誰かが困っているときに急かすのではなく、待てる。そういう姿を見ると、「共感力」が少しずつ根付いているのかなと思います。実際、小学校では人前で話すことが苦手だった子が、本校で学校説明会の運営に参加し、自信をつけ、高校では生徒会長になった例もあります。最初から積極的だったわけではありません。挑戦する機会があり、それを周りが支えてくれる環境があったからこそ、大きく成長できたのだと思います。
教室をのぞくと、廊下で元気に笑っている子もいれば、本を読んでいる子、静かに友達と話している子もいます。賑やかな子も、おとなしい子も、それぞれが自分らしく過ごしている。そして、その違いを認め合える空気がある。だからこそ、「この学校なら安心して6年間を過ごせそう」。そんなふうに感じるご家庭が多いのかもしれません。
四谷進学会 溝田:
生徒を信じ、任せ、失敗も成長の材料として受け止める。その積み重ねが、京華女子中学校ならではの温かい校風をつくっているように感じました。

