四谷進学会による金城学院中学校高等学校-学校インタビューです。

四谷進学会では各学校へインタビューを行い、生徒様へ確かな情報提供や進路相談に対応いたします。

注目校インタビュー

金城学院中学校高等学校

金城学院中学校高等学校-学校インタビュー

四谷:今回は、金城学院中学校高等学校の校長、深谷昌一先生にお話しを伺います。よろしくお願いいたします。

校長:よろしくお願いします。

四谷:まず、金城学院がどのような学校か、お伺いできますか?

校長:はい。本校は126年の歴史ある学校で、幼稚園から大学院まで含め、約7600名の園児、生徒、学生が在籍しています。中高は共に各学年320名の定員で、愛知県内の女子校としては大規模な学校と言えるでしょう。プロテスタント系キリスト教に基づき、21世紀型の学力育成を目指す教育展開を試行錯誤しながら進めていますが、なかでも本校が目指す教育の土台としているのは、「自立・自律・連帯」です。まず一つ目の「自立」とは、アイデンティティの確立です。私が日々生徒に言っているのは、一人称でものを語れるようになりなさいということです。人はこう言っているけれど、私はこう思うと自分の意見をはっきり言える女性になって欲しいという意味です。

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二つ目の「自律」は、セルフコントロールの修得です。世間の9割以上のトラブルは人間関係で占められていると言われますので、色々な人と関わっていく中での適度な距離感を保つことが大事だと考えています。相手が控えている時にはこちらが一歩前に出てあげたり、逆に向こうが出た時にはこちらが一歩引くなど、一定の距離感を保つことでトラブルを未然に防ぐということです。それでも全てのトラブルを防ぐことは出来ないので、トラブルが起こった時に健全に仲直りする力を養うことも大切です。最後の「連帯」は、共に高い志に向かって連帯し、いのちを大切にすることができる社会を形成する女性になって欲しい、という想いが込められています。女性同士の場合、女性のリーダーが育ちやすいだけでなく、パートナーシップも生まれやすいと思います。そして、誤解を恐れずに言えば、女性はいのちを育む性だと言えます。子どもを産むと産まないとにかかわらず、いのちを育むことが出来る性として、いのちの大切さに敏感になって欲しいと思っています。

四谷:「自立・自律・連帯」を具体的に表しているものはありますか?

校長:金城学院独自のプログラムとして、6年一貫の「ディグニティ(品位・尊厳)」があります。総合的な学習の時間として、中学1年から高校3年まで、各学年ごとに設定したテーマに沿って学習します。自分を知ることに始まり、IT機器を利用して正しく自己発信したり、中学3年では修学旅行で広島に行き、ピースメーカー(平和を創り出す人)となるための平和学習を実施したりなど、様々な教育活動をします。高校に上がるともう少し探究力を育成することに焦点を当てた学習をしていきます。高校1年・2年では大学の先生やマスコミ関係の方々を審査員としてお招きをして、プレゼンテーション大会を開催しています。そして高校3年では自分の夢実現に向けた卒業小論文を書くことを目指します。このようにして「自立・自律・連帯」の力を育成していきたいと考えていますが、実際、その成果として表れたものが「ケータイ・スマホのハンドブック」の作成です。それは、携帯電話やスマートフォンの使用について規制主義で指導するのではなく、マイナスとプラスの両面を考えて、それらの賢い管理者になることを目的としています。約7年前から生徒達の任意で、毎年数十名の生徒が集まり、研究しながらハンドブックを作っているのですが、これが出版社の目に留まり、昨年学事出版から発売されました。著名人として広く知られる尾木直樹さんや、佐藤優さんが薦めて下さったこともあり、話題を集めるとともに、大変な好評を頂いています。また、もう一つ私が常々思っていることは今の中高生が20年後、年齢で言えば30代後半ぐらいになった時、自分の人生のライフデザインをしっかり描けるようになっていて欲しいということです。例えば、もし結婚して子供が与えられているならば、母親という立場や主婦としての立場、そして一人の女性としての生き方など、生きていくためにバランスを取りながら、与えられた力を社会のために役立てていく女性になっていて欲しいと思っています。

四谷:生徒が自発的に考えて行動し、先生がサポートするという望ましい形が表れていると感じます。教育現場で特に心掛けていることはどのようなことでしょうか。

校長:本校は中学だけでも1000人近くいるので、全国的に見ても女子校としては珍しいぐらい規模が大きい学校です。しかしながら、何人いても教育の本質は1対1であると思うのです。問題を解決する術は1対1という方法しか出来ません。1クラス40人の生徒がいますが、教師が生徒と1対1で真剣に、そして誠実に向き合う姿を残りの39人の生徒は必ず見ていますし、そういった後ろ姿を見せていく必要があります。また、数が多いことがデメリットになるのではないかと考えたこともありますが、生徒達を注意深く観察していると、多数であることのメリットもたくさんあることに気がつきます。多くの人の中で揉まれ、いろいろな人間関係が出来ます。そんな中で、一度失敗しても、立ち直るチャンスも多く出来て取り返しもつきます。また、本校は中学と高校が別キャンパスになっているので、その点からもやり直しが利きやすいと言えるでしょう。

四谷:いろいろな個性の生徒が多くいて、その中で人間関係が作られていくということですね。

校長:そうですね。そしてもう一つの重要なテーマは、「自由の訓練」だと思います。本校ではいろいろな選択肢が許されていて、ああしろこうしろと細かく言いません。生徒の前に多くの選択肢があり、教員や友人と一緒に相談しながら選択していく。例えば、本校では高校からコース別に分かれますが、コースを成績だけで編成していません。もちろん、本人の目的や意思を細かく確認しますが、本来なら理系を選ぶのは厳しいと考えられる生徒であっても、本人の夢の達成のために強い意志をもって選択するのなら、それを認めてサポートしていきます。コースの人数がその年ごとに変動するので、運営側は大変ではありますが、生徒が本人の意思で選んだという気持ちやプライドを大事にしてあげたいと思っています。そして、自由には責任が伴うということを、今のこの時期に学んで欲しいです。

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中高生のためのケータイ・スマホハンドブック

金城学院中学校高等学校の生徒有志によって製作された、「中高生のためのケータイ・スマホハンドブック」をご紹介します。改訂に改訂を積み重ね、2013年に学事出版より発売されました。ケータイ・スマホを便利に使用するために、そのリスクとどう向き合うべきか、中高生による瑞々しい視点で、鋭く書かれた良書です。注目すべき点は、生徒達が主体性をもって、ケータイ・スマホを使用するルールを作り上げたこと。外から規制されるのではなく自分達でルールを創ることは、多くの知識を持ち、物事を俯瞰する思考力がなければ出来ません。

そして本書では、ケータイ・スマホのリスクとネットいじめ問題の関係性についても興味深く書かれています。ネットいじめは現実にあるものとして捉え、どう対処していくべきか、その本質に深く切り込んでいます。さらに、ケータイ・スマホ問題の解決と予防は、ケータイ・スマホだけの問題ではなく、学校や家庭などの社会との関わりが、問題の根底にあることを示唆しています。中高生はもちろん、保護者の方々にとっても目からウロコが落ちる一冊です。

授業のポイント

中学1・2年生では学習の基礎力を身につける段階として、毎日の学習習慣が付くように、各教科から宿題が出されます。教科書や問題集、副読本などは特に厳選し、生徒に着実に学力がつくものを選んでいます。英語では基礎力定着のために、導入時にGDMという英語による教授法を採用し、中学3年生ではクラスを半分に分けた少人数制授業を行い、生徒一人ひとりを丁寧に指導します。また、中学2年生から外国人による英会話の授業を取り入れています。数学は検定外教科書により計算力だけでなく、応用力も養っています。国語では中学3年生で週に1時間古典の授業を設け、文語文法を先取り学習し、高校の古典授業へとつなげています。理科では実験・観察を多く行い、体験・経験を通して生徒たちの自然に対する興味・関心を高めています。主要教科はもちろん、バランスの取れた教養が身につくように、音楽、美術、保健体育、技術家庭にも力を入れています。音楽では、一人ひとりがバイオリンを弾けるように練習し、最終的にはクラスで合奏ができるように指導します。技術家庭では、被服実習・調理実習を多く行います。

高等学校では、それぞれの教科がより高度な内容になり、中学校で養った学力をさらに伸ばす段階となりますので、週1日7時間授業が行われています。そして、それぞれの生徒の将来の夢を実現するため、高校2年生からは進路別のコースを以下から選択します。
コースⅠ:一般コース(主に金城学院大学の内部推薦を受けるコース)
コースⅡ:文系の大学を受験するコース
コースⅢ:理系の大学を受験するコース

コースⅠでは、バランスよく教養を身につける学習内容になっています。選択科目では中国語、韓国朝鮮語、フランス語、ドイツ語があり、英語以外の言語として、第二外国語を学ぶこともできます。これは他校にはあまり見られない金城学院の特徴の一つです。また、合科学習で異文化を深く学ぶ「ワールドスタディーズ」という新たな試みも始まっています。英語と社会の合科学習として、紅茶の歴史を英語だけで学んでいくなど、グローバル教育の本質に迫る、異文化への理解を養うための学習です。また、内部推薦で学部学科が内定する3年生の後期からは、金城学院大学での講義を受け、大学の単位を先取りすることが出来ます。
コースⅡでは、文系大学受験のための科目、コースⅢでは理系大学受験のための科目が多く設定され、高校3年生では、受験に対応するための演習の授業も設定されています。特に英語、数学、古典は、生徒の学力に合わせた習熟度別のクラスになっています。
その他、補習授業として成績不振の生徒を対象とした授業、受験生の希望者を対象にした演習中心の授業も用意されています。

部活動・同好会活動、学校行事

中学校で29、高等学校で32の部・同好会があります。中学1年生は全員どこかの部に所属します。毎日練習がある部もありますが、習い事と両立したい生徒は活動日が週2日程度の部に所属しています。中学2年生からは自由参加ですが、7割程度の生徒が高校2年生まで続けています。
金城学院では音楽教育に力を入れていることもあり、音楽関係の部活動が盛んです。グリークラブは全国大会の常連校として4年連続で出場しています。また、聖歌隊として礼拝奉仕やメサイア演奏会、市内各地でのクリスマスコンサートや定期演奏会など、活発に活動しています。ハンドベルクワイアは、金城学院が日本で初めて結成したハンドベルのクラブです。校内での演奏だけでなく、教会や施設など校外での演奏奉仕の機会も多く与えられています。ハープアンサンブル部や能楽同好会など、全国的にもめずらしい活動もあり、自主性を重んじる金城学院ならではと言えます。

学校行事としては、60年以上続いているメサイア演奏会があります。管弦楽部やグリークラブの生徒が主体となって、グリークラブの卒業生や保護者、男子校や教員の協力で行われています。歴史ある演奏会として、名古屋市内全体としても有名で、例年立ち見客が出る程の盛況なイベントです。

大学進学実績

金城学院では、内部推薦により金城学院大学へ進む進路と、他大学を受験して進学する進路があります。その年によって人数の割合に増減はありますが、それぞれ約50%、いずれかの進路に進みます。金城学院大学の就職率は例年90%以上を誇っているため、内部推薦への人気も高止まりしています。医歯薬系等の難関大学を目指し、他大学に進学する生徒も近年増加しています。また、他大学への指定校推薦枠も豊富にあり、生徒にとって様々な選択肢が用意されていると言えます。

☆2015年度の主な合格実績
■国公立大学合格実績
名古屋大学2名
名古屋工業大学4名
名古屋市立大学4名
愛知県立大学1名
岐阜大学5名
岐阜薬科大学1名
三重県立看護大学1名
信州大学2名
京都工芸繊維大学1名
横浜市立大学1名

■私立大学合格実績
早稲田大学8名
慶應義塾大学6名
上智大学1名
国際基督教大学1名
東京理科大学4名
青山学院大学10名
学習院大学2名
中央大学9名
明治大学10名
法政大学7名
愛知医科大学6名
南山大学53名
関西学院大学16名
同志社大学13名
立命館大学12名

☆医歯薬系大学合格実績
医学部:岐阜大、信州大、名古屋大、愛知医科大、近畿大など、のべ13名
歯学部:岩手医科大、昭和大、日本大、愛知学院大、朝日大、大阪歯科大など、のべ17名
薬学部:岐阜薬科大、愛知学院大、金城学院大、名城大、京都薬科大、立命館大など、のべ97名

学校説明会

1.学校説明会
日時:2015年6月20日(土)10:00~12:30
場所:中学校校舎・高校校舎
内容:
・体験授業(聖書、国語、社会、数学、英会話)、理科実験
・部活動体験等(テニス、サッカー、バトン、ハンドベル、ハープ、その他)
・演奏会
・個別相談会
・展示・校内見学
・ティールーム

2.入試説明会
日時:2015年11月7日(土)10:00~12:30
場所:金城学院中学校講堂
内容:
・入試問題の注意点
・手続き等の説明
・部体験
※当日ご出席の方には、「学校案内」「入学願書一式」「入試問題(2015年度)が配られます
※キッズルームもありますので、小さなお子様とのご来校も安心です

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